「バウムクーヘンの世界」の放送がなされてから早くも2週間ですね。
今日は、焼きたてバウムクーヘンを食べた後の
「ホットケーキみたい」
という言葉に言及してみたいと思います。
さて、ここ2週間のうちのネットでの書き込み等をほぼほぼ目を通していくにつけ、私の容姿や年齢等へのバッシングはさておき、
「バウムクーヘン」か「バームクーヘン」か、ということを、番組をご覧になった人は、バウムクーヘンやバームクーヘンを作っている職人さんでさえも、感覚的には、95%ぐらいは意識していないのではないか?
と、学習しました。
バウムラー達の間では常識でしたが、相当にマニアックな常識だったようです。
だからといって短絡的に「この話はデマだ」と決めつける書き込みもありました。
デマなんでしょうか?
意味を持たずに二つの言葉を同時に使っていてこんがらがった毛糸のようになっていたものに、意味を持たせて区別しているだけなのです。
規則のなかったものに、数多く食べている自分たちが自然と区別するようになった言葉をご紹介しただけなのです。
意味のなかった曖昧な言葉に意味を持たせること、これはなかなか一筋縄ではいかないのだな、というのが感想です。
それはそうと、
「ホットケーキみたい」
という発言にも反響がありました。
職人さんに失礼だろう、バウムクーヘンを軽んじていないか?
というものです。
収録では説明をたどたどしくしていたのですが、カットされていたので、それはスタッフさんから「あとの説明よろしくね」というバトンを渡されたと解釈しまして、ここに見解を書いておきます。
まず、ホットケーキ、皆さんは手作りされたことがあるでしょうか。主に卵、小麦粉、砂糖、牛乳を原料としています。ホットケーキにも、メレンゲで膨らませるタイプ、ベーキングパウダーで膨らませるタイプ、両方ありますが、圧倒的に普及しているのはベーキングパウダーを使用して手軽に誰でもフライパンやホットプレートで焼けるタイプかと思います。
また、食事でもお菓子でも口に入れるものはなんでもそうですが、1番おいしく食べることのできる「旬」があります。1番美味しいと感じることのできる「時期」のことです。
特に、ホットケーキは「焼きたての温かいうちに食べるのがベスト」だと思っています。ヨーグルトを入れるとか生地に工夫をして冷たく冷やして食べるホットケーキも最近レシピがあるにはありますが、アレンジしたものではなく、シンプルな材料で作ったもので、冷めたり冷たくなったホットケーキを提供するお店はわたしは見たことがありません。(なにかを測定したわけでも論文を見たわけでもありませんが)
その、国民的スイーツ?であるホットケーキの、1番美味しい時に、1番おいしく食べた時に感じる極上感。
あれは、
「今、この瞬間しか味わえない特別なもの」
という意識も働くからだと思っています。
さて、収録では、ユーハイムさんがスタジオに大きなガスオーブンを持ち込んでくださり、収録の間に本格バウムクーヘンを焼いてくださっていました。ドイツでは「バウムクーヘン職人は早死にする」とまで言われてしまうガスオーブンの熱さを体験していただくのがメインではありましたが、せっかくだから焼きたてを食べたいということで皆でいただきました。
普通はあり得ない「円盤切り」にカットされた出来立てほやほやのバウムクーヘンを皆で食すことになりました。
一口食べたその後で、マツコさんがホットケーキみたい、と発言した後にわたしもそれに大きくうなづいて同意しています。はい、わたしもそう思います、と。
続きがあるのですが、
バウムクーヘンは、バームクーヘンも含めて、焼きたてほやほやの時、その時は皆、同じように「最上級の極上のホットケーキ、1番美味しい時のホットケーキと似たような味になる瞬間がある」ということです。
材料が同じでフワッとした食感、そして、温かいことでバウムクーヘン内のバターがまだ固まらず流動的、(バウムクーヘンのなかでバターが踊る、と私は表現しますが)流動的なので、バウムクーヘンがより均一層に近くなる。
そんな理由から、バウムクーヘンがもっとも極上のホットケーキに近い瞬間に、あの時に口に入れることができたのだと、わたしは収録時、その興奮状態にありました!
今まで食べたことがないというのも本当で、それは、
「バウムクーヘン」は焼き上げてから、数時間とか数日置いてから、私の言い方ですが、「踊っていたバターがしっかり固定されてから」しか店頭に出されないからです。
食べることができるとすれば、それを焼いている職人さんぐらいしか食べる機会がないのではないでしょうか。
ちなみに、バウムクーヘンの日イベントで、20人で20層のバウムクーヘンを焼くイベントが神戸ユーハイム本店であり、何回か参加しましたが、これも焼いた後で少し生地を冷ましてから皆でカットしていただきます。数十分置いただけでも、口に入れた風味など、全然違います。ホットケーキとは全くの別物となります。
つまり、あのスタジオで焼きたてをいただいたことで、ぼんやりと思っていたことが、はっきりとわかりました。
「ホットケーキの頂点は焼きたてにあるが、バウムクーヘンは、焼きたてのホットケーキの味を起点として、数日後にバウムクーヘン本来の味の頂点を迎える右肩上がりのお菓子である」と。
そして、その時間差による微妙な味や食感の違いも楽しめるお菓子であると。
あのスタジオで、収録時に出来立てを頬張りながら、そんなことが頭の中をパァーッとよぎり、こんな体験ができなんて幸せなんだろうか、と嬉しすぎて。その場で焼いてくださったユーハイムさんには感謝感謝です。
全然、説明ができませんでしたが。
なので、バウムクーヘンを軽んじているなどもってのほかなのです。起点が極上のホットケーキなのである、そこからが右肩上がりなのである、というのは事実なのです。
かしっくす こと 田辺マミ
--
Mami Tanabe
今日は、焼きたてバウムクーヘンを食べた後の
「ホットケーキみたい」
という言葉に言及してみたいと思います。
さて、ここ2週間のうちのネットでの書き込み等をほぼほぼ目を通していくにつけ、私の容姿や年齢等へのバッシングはさておき、
「バウムクーヘン」か「バームクーヘン」か、ということを、番組をご覧になった人は、バウムクーヘンやバームクーヘンを作っている職人さんでさえも、感覚的には、95%ぐらいは意識していないのではないか?
と、学習しました。
バウムラー達の間では常識でしたが、相当にマニアックな常識だったようです。
だからといって短絡的に「この話はデマだ」と決めつける書き込みもありました。
デマなんでしょうか?
意味を持たずに二つの言葉を同時に使っていてこんがらがった毛糸のようになっていたものに、意味を持たせて区別しているだけなのです。
規則のなかったものに、数多く食べている自分たちが自然と区別するようになった言葉をご紹介しただけなのです。
意味のなかった曖昧な言葉に意味を持たせること、これはなかなか一筋縄ではいかないのだな、というのが感想です。
それはそうと、
「ホットケーキみたい」
という発言にも反響がありました。
職人さんに失礼だろう、バウムクーヘンを軽んじていないか?
というものです。
収録では説明をたどたどしくしていたのですが、カットされていたので、それはスタッフさんから「あとの説明よろしくね」というバトンを渡されたと解釈しまして、ここに見解を書いておきます。
まず、ホットケーキ、皆さんは手作りされたことがあるでしょうか。主に卵、小麦粉、砂糖、牛乳を原料としています。ホットケーキにも、メレンゲで膨らませるタイプ、ベーキングパウダーで膨らませるタイプ、両方ありますが、圧倒的に普及しているのはベーキングパウダーを使用して手軽に誰でもフライパンやホットプレートで焼けるタイプかと思います。
また、食事でもお菓子でも口に入れるものはなんでもそうですが、1番おいしく食べることのできる「旬」があります。1番美味しいと感じることのできる「時期」のことです。
特に、ホットケーキは「焼きたての温かいうちに食べるのがベスト」だと思っています。ヨーグルトを入れるとか生地に工夫をして冷たく冷やして食べるホットケーキも最近レシピがあるにはありますが、アレンジしたものではなく、シンプルな材料で作ったもので、冷めたり冷たくなったホットケーキを提供するお店はわたしは見たことがありません。(なにかを測定したわけでも論文を見たわけでもありませんが)
その、国民的スイーツ?であるホットケーキの、1番美味しい時に、1番おいしく食べた時に感じる極上感。
あれは、
「今、この瞬間しか味わえない特別なもの」
という意識も働くからだと思っています。
さて、収録では、ユーハイムさんがスタジオに大きなガスオーブンを持ち込んでくださり、収録の間に本格バウムクーヘンを焼いてくださっていました。ドイツでは「バウムクーヘン職人は早死にする」とまで言われてしまうガスオーブンの熱さを体験していただくのがメインではありましたが、せっかくだから焼きたてを食べたいということで皆でいただきました。
普通はあり得ない「円盤切り」にカットされた出来立てほやほやのバウムクーヘンを皆で食すことになりました。
一口食べたその後で、マツコさんがホットケーキみたい、と発言した後にわたしもそれに大きくうなづいて同意しています。はい、わたしもそう思います、と。
続きがあるのですが、
バウムクーヘンは、バームクーヘンも含めて、焼きたてほやほやの時、その時は皆、同じように「最上級の極上のホットケーキ、1番美味しい時のホットケーキと似たような味になる瞬間がある」ということです。
材料が同じでフワッとした食感、そして、温かいことでバウムクーヘン内のバターがまだ固まらず流動的、(バウムクーヘンのなかでバターが踊る、と私は表現しますが)流動的なので、バウムクーヘンがより均一層に近くなる。
そんな理由から、バウムクーヘンがもっとも極上のホットケーキに近い瞬間に、あの時に口に入れることができたのだと、わたしは収録時、その興奮状態にありました!
今まで食べたことがないというのも本当で、それは、
「バウムクーヘン」は焼き上げてから、数時間とか数日置いてから、私の言い方ですが、「踊っていたバターがしっかり固定されてから」しか店頭に出されないからです。
食べることができるとすれば、それを焼いている職人さんぐらいしか食べる機会がないのではないでしょうか。
ちなみに、バウムクーヘンの日イベントで、20人で20層のバウムクーヘンを焼くイベントが神戸ユーハイム本店であり、何回か参加しましたが、これも焼いた後で少し生地を冷ましてから皆でカットしていただきます。数十分置いただけでも、口に入れた風味など、全然違います。ホットケーキとは全くの別物となります。
つまり、あのスタジオで焼きたてをいただいたことで、ぼんやりと思っていたことが、はっきりとわかりました。
「ホットケーキの頂点は焼きたてにあるが、バウムクーヘンは、焼きたてのホットケーキの味を起点として、数日後にバウムクーヘン本来の味の頂点を迎える右肩上がりのお菓子である」と。
そして、その時間差による微妙な味や食感の違いも楽しめるお菓子であると。
あのスタジオで、収録時に出来立てを頬張りながら、そんなことが頭の中をパァーッとよぎり、こんな体験ができなんて幸せなんだろうか、と嬉しすぎて。その場で焼いてくださったユーハイムさんには感謝感謝です。
全然、説明ができませんでしたが。
なので、バウムクーヘンを軽んじているなどもってのほかなのです。起点が極上のホットケーキなのである、そこからが右肩上がりなのである、というのは事実なのです。
かしっくす こと 田辺マミ
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Mami Tanabe